04 川鍋 暁史 さん

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中学校でプレイヤーとしてバスケットボールを続けてきて、今に生きる良かった事はなんですか?

小学校6年生の時にスラムダンクを読んでバスケットボールに憧れた事からバスケ部に入部しました。

丁度中学生の時に海南との試合の時期で桜木花道が「今の俺にできることをやるよ」と言っているシーンがあるのですが、その言葉は今でも行動指針になっていると思います。

出来もしないことを恰好つけてやるよりも、今の自分が出来ることで貢献する。

そして出来ることを増やしたり幅を広げたりを目指そうと思っています。

あとは当時から学級数も部員も多かったので、「その中で試合に出場させてもらう責任感」を学べたのは大きかったですね。

バスケットボールの指導を志された経緯を教えて下さい

中学校ではバスケ部でしたが、高校では陸上部に所属しました。

最初に勤務した学校には陸上部が無く、当時の校長先生から「中学生の時、バスケ部だったんだよね?」と言われ顧問になったのが始まりです。

部員が少ないチームだったので、ただひたすら生徒達と一緒に練習していました。

チームでの指導でコーチングや選手への向き合い方を大切にしている事はありますか?

優先順位です。

第一に「バスケを通じて人として成長してもらうこと」、第二に「バスケと生涯にわたってかかわっていきたいと思えるようにしてあげること」、第三に「バスケが楽しいと思えるようにしてあげること」かなと思っています。

バスケをしていたのでこういういいこと、成長があった、というものが残るように指導していきたいです。

そして大人になった時に自分がプレーしたり、スタッフとして関わったりする。

お子さんにバスケをやらせてみたいと思ったり、小学校でお子さんに教えてあげたりする。

バスケ観戦に出かけたいと思う。

何か小さなことでもいいからバスケに興味を絶やさないでいてくれたら嬉しいなと思います。

バスケが楽しいと思えるのは、やはり勝負事なので…勝った方が100倍楽しいし、勝負事を楽しむには強さがいるとも思っています。

なので中学生のうちに勝つことが最優先だとは思っていませんが、勝つ喜びを体験させてあげられるように頑張りたいという気持ちも強くあります。

指導されていてのやりがいを教えて下さい

バスケ部の顧問をしていなかったら今の人生は無いので、やりがいというよりも感謝の気持ちの方が強いです。

バスケを通じて色々貴重な経験をさせていただいたり、成長させてもらえたりしたので、バスケに恩返ししたいなと思って指導しています。

そういう意味では色々な場面で自分の経験を生かせた時は嬉しいので、それはやりがいかもしれません。

指導していくにあたり、上手くいかない時があったと思いますが、ご自身と選手に向けてどう乗り越えていきましたか?

むしろ上手くいったと思えたことはほとんどないのですが…。

その都度、色々情報収集したり、選手に思いを伝えたり、人に頼ったりしてきました。

あとは楽しいと自分自身が思えるメニューを選ぶことでしょうか?乗り越えてきたというか、乗り越えようともがいているうちに今になってまだもがいている状態ですね。

コーチとして最高の経験、感動した事を教えて下さい

初めての県大会に出場を決めた時。

運動が苦手な子達ばかりな浦和中の男子バスケ部が公式戦で勝利を上げた時。

新人戦で負けて冬季大会でも負けた相手に学総で勝って県大会に行った時。

持久力に課題があった大きい子に1年間「オフェンスファウルを取られてもいいから向かって行け!」と言い続け、最後の最後に学総で県大決めの試合で追い込まれた4Qラストにチームのために何とかしなきゃと体を張って攻めたその子がオフェンスファウルを取られて退場した時。

保護者の方から「うちの子がこないだ、電車で突然お年寄りに『どうぞ』って席を譲ったんです。

そんなことできると思って無くってびっくりして…。で家に帰ってきて聞いてみたら『川鍋先生の近くにいたらそうなるんだよ』って言ってて…。以下略」って言いながら保護者の方に号泣された時。

まだまだたくさんあります。1番は選べないです。

川鍋さんは大会会場での運営、審判としての活動を率先しご活躍されていますが、その行動の原動力はなんですか?

偉大なる先人達に比べたら全然足りていないと思っていますが、「今の俺にできることをやるよ」の精神なので、出来もしないかっこいいダンクのような先輩達と同じことをするのではなく、泥臭くリバウンドを拾った桜木や魚住のように自分にしかできなさそうな観点でどちらも頑張っていくことが原動力かなと思います。

良くも悪くも自分みたいな人はなかなかいないと思うので…。

「自分にしかできないこと」を追い求めるのは楽しいですね。

川鍋さんのこれからのビジョンを教えて下さい

部活動が今後どうなるのか?全国大会は?という今の情勢ですので、正直バスケ部の顧問として、埼玉県の専門委員長として、先が見えない不安はあります。

自分が中学生になった年にいわゆる週休2日制が始まり、第2土曜がお休みになりました。

今では当たり前のように武道もダンスも男女共修、技術も家庭科も男女共修、土曜日も休みなのが当たり前です。

でも当たり前なこれらのことは、変わる当時はとんでもなく現場が混乱したのだろうと思います。

でもそれは先輩方が後続の我々やなによりこれから子ども達のために、とご尽力いただいたからこそ今があるのだと思います。

なので先輩方から受け継いだバトンを繋ぐ、出来ることなら少しでもいい状態にして、次走者に渡す、それを念頭に今後も頑張っていきたいと思います。

そのために埼玉の中学校のバスケ部の顧問の先生方ともっともっとお話しできる機会が増えたらいいなと強く思っていますので、まずはそこからですね。

PROFILE

Name: 川鍋 暁史

Profession: 教員

Coaching: 中学校部活動

Career: 宮原中学校 → 伊奈学園総合高等学校 → 日本体育大学